「今お前を殺したら、椿が生きていても俺は刑務所に居なきゃいけない。椿と居られなくなる。だけどな、」


俺は弥生を細い目で見据える。


「椿がもし死んだ時は、絶対に許さない。俺の手で必ずお前を殺しに行くから覚悟しろ」


そう告げると弥生から気味の悪い笑顔がやっと消えてくれて、瞳は大きくグラついた。


『ウー！ウー！ウー！』


間近からサイレンが聞こえてきた。

振り向くとパトカーがすぐそこにいて、警官が俺達のところに走ってきていた。

俺は弥生を指差しながら言った。


「早く犯人を捕まえて下さい」