「椿!椿!」


何度も声を張り上げて呼ぶけれど椿は反応してくれない。

身体が情けないほど震えてる。

歯はガチガチ変な音。

恐怖のせいで指先は温度を感じない。

呼吸は浅く速くの過呼吸気味。

思考回路は嫌な方向にしか向かっていかない自分がいることに気付いて。


バチン!


俺は自分の両頬を挟んで叩いた。
冷静さを取り戻すために。


ダメだろ!
俺がしっかりしないと!

錯乱する自分を叱咤すると、しなければいけないことが頭に過ぎってくれた。