そう伝えると全身の力が抜ける感覚。

立っていられなくて私は倒れてしまったが、海さんが受け止めてくれたみたい。

目の前に海さんが見えるから。


「椿?椿……?」


不安しかない揺らいでる海さんの瞳。

大丈夫と返したいのに声が出てくれない。

その時、遠くからパトカーのサイレンが聞こえてきた。

警察が来てくれたんだ。


私、海さんを守れたよね?

安心したせいか、意思には反して閉じたくないのに瞼が勝手に閉じていく。


お願い、神様……

私の我が儘を一つだけ聞いてくれませんか?