「つ、椿……?」

後ろから私を呼ぶ海さんの声が震えているのが心配になって私は振り返る。


「海さん、大丈、夫……」

私は海さんが安心するように笑顔を向ける。

でも何故か声が上手く出てくれない。

海さんは私を大きく目を見開いて見てる。

安心させたかったのにそんな顔をしないで。


「ナイフなら、ここにありますから……」

私はお腹に刺さっているナイフを離すまいと両手で握りしめる。


これでもう弥生さんは海さんを傷付けられない。
だから大丈夫。
それに、


「もうすぐ、警察も来ますから……心配しないで……」