噛み合わない二人の会話と表情。

彼女はずっと笑顔。
海さんは眉間に皺を刻んで苛ついてる顔。

私はそれを影から見ながら、早く警察着て下さいと心の中で祈る。


「俺達はとっくに終わっただろ」


海さんが話が噛み合わないことに限界なのか、呆れた顔に変えて吐き捨て、完全に彼女を拒絶した。

彼女は顔を思い切り歪ませる。

数秒固まった後、彼女は何故か海さんを見ながら左手に持っていた鞄の中に右手を入れた。

海さんを何故か睨みながら。


何故か、嫌な予感がする……


「海、目を覚まして?」


私は彼女を見て、固まった。
その言葉にじゃない。
だって鞄から出てきた彼女の手には、