「千栞いつも抜けてるけど、今日はいつにも増して危なかっかしくない?なんかあった?」


なんで朱里はこう鋭いんだ...。


私は声を抑えながら、“実は保健室で日向先輩をに会ったの”と伝えた。

朱里は一言なるほど、といった。


「.....かっこよかったあ。」

うん、ほんとにかっこよかったな。

毎朝見る距離よりもっとずっと近くで日向先輩を見てしまった。

うう、なんだかいけないことしてしまった気分だ。

「「あ。」」

食堂が少し騒がしくなり、その原因であろうひとを見た瞬間、私と朱里の声が重なった。

それもそのはず。

食堂に入ってきた2人組。

それは、日向先輩と西先輩だったから。

確かに、女の子が騒ぎ出すのもわかる気がする。