話していくうちに、彼が、西園寺エンタープライズで働いていること。彼の名前は、佐々木悠翔(ささきゆうと)、今日は、上司に連れられて、ここに来たことを知った。

…楽しいとは言え、やはり、早く社長に戻ってきてほしいと思っていた。

悠翔は、私を笑顔にするのがとても上手。話上手な人だ。

だが、その笑顔の数倍も笑顔にするのは、やっぱり社長だった。

「すみません、社長が戻って参りましたので、これで」

私は悠翔に簡単な挨拶を済ませ、行こうとする。

でも、悠翔に手を捕まれ止められた。

私は困惑顔で悠翔を見上げる。