泣きながら家に帰った私は、丁度、部屋から出てきた、普段着の光が目に写った。

泣いてる私に驚いて、光は、私を連れ、自宅へと招き入れる。

ひとしきり泣いた私は、ようやく泣き止み、光は、落ち着いた私に、泣いた理由を聞く。

…すると、光は、大きなため息をついた。

「結愛」
「…何?」

「あの人と、結愛では釣り合わないよ」
「どうして?」

「だって、結愛の事を幸せにする気なんて、全然ないから」

「そんな事ない」

と、言いつつも俯いてしまう。

「あんなヤツ、やめちゃいなよ」
「…」

私は首を降る。

だって、まだ、こんなにも良樹が好き。

「アイツは、結愛との結婚なんて、考えてないよ」
「…ぇ」

「私は、結愛には、幸せになって欲しい」
「…光」

…話を終え、頭のなかは全く整理できないまま、光の部屋のドアを開けると、良樹が私たちを見つけた。

「…良樹さん」

良樹は私の手首を掴むと、光から離れさせた。

「あの男と付き合うのか?」
「…え???」

何故そうなるのか?

いや、ちょっと待て。

「あの男って、誰の事ですか?」

私は良樹を見上げ問いかける。

「アイツに決まってるだろ?」

そう言って、指差したのは光。

私は良樹の盛大な誤解にようやく気づく。

「良樹さん」
「何?」


「光は」