「あぁ、嫌いだね。結愛にやたらと近すぎる」

…近すぎる?

…もしかして…いや、もしかしなくても、これって。

「ヤキモチ、ですか?」

私の言葉に、拗ねたような顔を私に見せまいと、窓の方を向いた社長。

私は可笑しくなって、クスクスと笑う。

「何が可笑しい?」
「ごめんなさい、ヤキモチ妬いてくれて嬉しいのと、そんな事あり得ないから可笑しくて」

私の言葉の意味がわからないと言った顔の、社長。

「アイツには気を付けろ」
「社長」

「なんだよ?」
「私には、社長だけですから」

「当たり前だ」

そう言うと、私の部屋を抱き寄せた。

私もそれに答えるように、社長に抱きついた。

その夜、社長は私をアパートには帰してくれず、ずっと私を離さなかった。