「莉愛ー!!!」
ゆっくりと目を閉じようとした時、バンっと物凄い勢いと共に大きな音を出したながら扉が開いて
そこから慌ただしく入ってきたのは、まさかの泣きべそをかいた佑衣だった。じゃあ、あの何度もインターフォンを押していたのは佑衣だったのか。
「佑衣!莉愛ちゃんは熱があるんだから大きな声出すなよ。莉愛ちゃんごめんね、こいつ勝手に入って来ちゃって」
佑衣の頭を軽く叩くようにして次に入ってきた悠真は申し訳なさそうに私に謝る。
「うぅん、全然大丈夫」
「莉愛ー!ごめんねー!!僕が莉愛の事何にも気が付いてなかったから…本当にごめんね」
瞳を潤ませ涙をこらえるようにして唇を噛み締めた佑衣は、私のベットの横にしゃがみ込むと私の手をギュッと握る。
その手は少しだけ震えていて…佑衣の心の中が伝わってくるみたいだった。
「佑衣が悪いんじゃないの…私が悪いの」
「違うよ!俺が悪かったんだ…莉愛の側に居れば良かったのに…」
佑衣にこんな顔をさせて…自分の都合であの時倉庫を出た自分に呆れてしまいたくなる。
「おい莉愛、お前何で倉庫を出た」
「…琉聖…」
ドアの入り口には、いつのまにか琉聖が立っていて…その表情はとてつもなく怒っているのがすぐに分かる。