悠真はそんな私の言葉に対して、少しだけ眉を垂れ下げると再びその表情を元に戻した。



「莉愛ちゃんは、相手が自分を想ってくれないならその想いをやめるの…?例えばさ人は時に間違った選択をしたとそう感じる時があるでしょ。でもそれはその先に進んでみないと分からない事で、だけど結局さ…どっちを選んだとしても正しいとか間違いだとかは無いんだと思う。どっちも正しくてどちらも間違ってるんだ。きっと迷っている二つのうち片方を選んだ時点で答えは一つじゃないから」



どちらも正しくて、どちらも間違っている…。
悠真の言葉は少し難しい。
だけど、私の胸を掴むみたいに意味を落としていった。



「だったらさ、後悔する前に足掻くべきなんじゃないかな?どっちを選んでも辛い想いをするんだとしたら、少しの可能性にかけてみても良いんじゃないかな?」



悠真の話は例え話で、きっと私に直接語りかけているわけじゃない。だけどそれはやけに現実味を帯びて私に届いて、そして心を激しく揺さぶっていく。



本当は心の奥底で、迷いに揺れ続けている私の本心をまるで見抜いていくみたいに……



梓が好きだと自覚するたび、心の奥へと閉まってきた。想いを殺してきた。



諦めないとダメだと分かっていても、何度も想いが溢れてきた。


だからそんな悠真の言葉が、少しだけ私の心を軽くしてくれたような気がしたんだ……