「大丈夫だよ。看病してもらってただけ」
大丈夫だったのは確かだけれど、何もされなかったかと言えばそれは微妙なところで…
新には助けてもらったけれど…初めは帰してくれる感じではなかったし、ナツメにも敵対視されていたように思う。
だけど、ここでさっきまでの出来事何もかもを悠真に話してしまうほど私も馬鹿ではない。
シルバーナイトと黒雅。それが私の簡単な一言で色々な事か起きてしまうくらいなら、心苦しくても話さない方がマシだ。
「じゃあ寝れないついでに、少しお話しでもしようかな」
「…お話し?」
「莉愛ちゃんは疲れちゃうといけないから、何となく俺の話を聞き流しててくれれば良いよ。それで眠くなったら寝て」
「うん、分かった」
きっと寝られないって言った私の為に、悠真はそうしてくれたんだと思う。
よく考えたら、こうして長時間悠真と二人きりでいたのは初めてかもしれない。
そもそも、二人でいるなんて送迎の時しかないから悠真の話をゆっくり聞く事自体が初めてだ。