「冷蔵庫に氷とか飲み物ある?」


「何にもない…冷蔵庫ほとんど使ってない」


「それは困ったね。じゃあちょっと電話してくるから待ってて」



部屋を出て行く悠真。
悠真はこの部屋を見てどう思っただろうか。



寂しくて、虚しい空間だとそう思ったかな。



ベッドへと潜り込みながら今日1日の事を思い出す。


色々な事があった。身体も心もボロボロで……胸がギシギシと痛む。


胸元をギュッと握りしめると、その服が新からの借り物だと思い出して手を少し緩めた。



そういえば、この服どうしよう。
連絡先もしらないし、ましてやボーッとしていた頭じゃ新の家までの道順すら覚えていない。


でもきっともう、会う事は二度とない。
そうすると、返す事は出来ないか。


そんな事を考えていると、1分もしないうちに悠真が戻ってきてベットサイドへとしゃがみ込むとあぐらをかくようにして座った。


「今下で待ってた何人かに食べ物とか薬頼んだから少し待っててね」