リビングに入ると、カーテンの閉まっていない壁一面に広がる大きな窓からはこの街の夜景が部屋を照らす。
たとえ夜中になっても、この光たちが消える事はない。
それはまるで私をここに一人残していくようで…それと同時にあの光の下には何千人という人がいるのかと思うと焦燥感が私を襲う。
「寝室はどっち?」
「あの部屋」
悠真に支えられながら、リビングと繋がる奥の部屋へと入ると、そこにはやけに大きすぎるくらいのベッドがポツンと寂しげに一つばかりあって、そこへ腰をかけると悠真はしゃがみ込んで私の額へと手を当てた。
「熱、結構あるね」
さっき新の家を出る時は少し下がっていたのに。また外の冷たい外気に触れたせいか上がってしまったようだ。