二人でエレベーターで最上階へと向かい自分の部屋の前で足を止める。
「莉愛ちゃん鍵はある?」
「その紙袋の制服のポケットに入ってる」
「探しても良い?」
「うん、お願いします」
悠真は私を支えながら器用に片手で鍵を探すとそのまま玄関を開いた。
「一人で大丈夫?」
私を支えていた手を離して紙袋を手渡してくる悠真は、心配気に私を見つめている。
「平気だよ、ありがとう」
悠真から離れて玄関へと入ると、再び頭から血の気が引いてくようにしてクラっと身体が倒れ込んだ。
それに瞬時に気がついた悠真が慌てて玄関へと入り込むと、もう一度私の身体を両手で支えるようにして抱きとめる。
「どこが大丈夫なのかな?」
それは呆れたような困ったような顔で「はははっ」と力なく笑って見せればやっぱり困り顔で溜息をついた。
「女の子の部屋に上り込むのは申し訳ないけど、このまま莉愛ちゃんを一人には出来ないからお邪魔しても良いかな」
「はい…お願いします。こちらこそ申し訳ないです…」
悠真が家に上がる事に対してもちろん拒否感情なんかなくて、むしろ…本当にもの凄く申し訳ない……