でもそれはきっと凄く…虚しくて辛くて苦しくて
心が壊れそうになる時が来る。
「そろそろ着くぞ」
限界だって、心が壊れてしまうって
そう感じる時がくる。
「悪いが家の前までは送れない。シルバーナイトの奴らが君を探して張ってるだろうから」
「はい、ここまで連れてきてくれただけで十分です」
「家の近くでマンションに入るまでは見てる、一応何かあったら困るからな」
やっぱり……この人って……
「あなたは黒雅の噂とは少し違うみたい…」
女子供関係無く悪い事をする人がこんな事を言うだろうか。こんな事をしてくれるだろうか。
「やっぱり少しだけ…優しい」そう小さく呟けば、新は驚いたように一度その表情を止めると、すぐに口角を上げてフッと呆れたように笑った。
「君は人を見る目がないな」
「君じゃないです。間宮莉愛」
いきなりそう言った私に新は一度頷くと、色っぽいタレ目がちな瞳を私に向けた。
「知ってる」
「じゃあ、次はそう呼んで下さい」
「次なんてあるのか?俺はシルバーナイトの敵なのに」