「だからなっちゃんに言ってないってば!」


「よく考えもしないで意見を言うな」


「なっちゃんが莉愛ちゃん怖がらせたんでしょ!強く掴んだりして!」



二人の言い合いに挟まれるようにして立っていると、まだ体調が悪いせいか頭がガンガンと痛みで響く。


思わず眉をしかめるようにして目を細めると



「お前ら、うるさい」



落ち着いた声でそう言った新の表情は、笑っているはずなのに笑っていなくて…すぐに背筋が凍った。


それはそこにいた二人も同じだったのか、大きく目を見開き怯えたように肩を震わせると、すぐに反省したように頭を下げる。



「ご、ごめんなさい…」


「すみませんでした…」



そんな彼らを次は穏やかに見つめると、少しだけ口角を上げて笑った後



「ナツメ、お前あまりイラついてばかりいると将来ハゲるぞ」


「っなッ」


「ははっ!なっちゃんハゲるってさぁ!」


「カケル、お前はもう少し落ち着いたらどうだ。声が頭に響く」


「そんな…カケルの声そんなにうるさいの…」