「莉愛ー!!ここ分からないよぉ〜」
佑衣とは、毎日1時間半勉強をする約束をした。
初めは泣きながらやっていた数学も、今では率先して頑張っている。
「ここはこうして、こうだよ」
「あ!なるほどー分かった!!」
三人のはからいからか、勉強机がプレハブ部屋に置かれる事は無くて、皆んなのいる倉庫内の端のスペースに琉聖と悠真が勉強コーナーを作ってくれた。初めは私と佑衣でやっていた勉強も、今では毎日数人のシルバーナイトメンバーが加わって勉強会をしている。
「あ、そういえば佑衣に私が昔使ってたノート持って来たの」
「え?本当?ありがとう!!」
「うん、えーっと…どこにしまったかな」
ここでの勉強会用に持って来ているトートバッグの中をゴソゴソとあさるけど見当たらなくて…多分…スクールバックの中に入れて来たんだ。
「ごめん、ちょっと置いて来ちゃったみたいだから持って来るね」
スクールバックは来た時にいつもプレハブ部屋に置いている。だからもちろんノートをとるにはあそこにいかないとダメなわけで…もちろん梓と朱音さんを見ないといけない。
でも、今日は琉聖も悠真も下には降りて来てないから部屋にいるはず。一時期険悪ムードだった琉聖と梓だけど、意外にも次の日には二人ともごく普通に話していて、男の子って良く分からないと思ったくらいだ。