「りゅう…せい…どうして…」



「どうしてじゃねェよ!!お前が泣きながら走ってるのを見かけたって奴から連絡きて迎えに来たんだよ!!」



怒鳴っている声とは裏腹に、その表情は眉をひそめ困ったように私を見下ろしていて…



いつも丁寧にセットされている金メッシュの髪も服も乱れている。きっと私を必死で探してくれていたんだ。



私は自分が嫌いだ。



大嫌いだ。



間宮の家から抜け出せない自分も、皆んなに甘えてばかりな自分も。



だけどそんな私を心配してくれる友達がいる。仲間がいる。



それなのに……私はいつだって自分の事ばかりだ。



「俺だ、莉愛のやついた。あぁ、駅前」



私の腕を掴んだまま、片手で誰かへと電話をかける琉聖。



一人で出歩くなって言われてたのに。きっと皆んな探してくれてたんだ…。



電話を切った琉聖は再び私を見下ろすと小さく溜息を吐き出した。



「……ごめ…なさい…」



「別に、怒ってるんじゃねェ。ただ、心配した」



「……うぅっ…」



琉聖の言葉がスッと耳の奥へと入ってくる。


目頭が熱くなっては涙が溢れ出してくる。