「……あの…」



どうしたら良いのか分からず、目をそらすようにして梓から少しだけ離れていく。



だけど彼はそれを許してはくれなくて……


掴まれた手を強く握りしめた。




「本当か」



「…………」



「今の」



「…………」




ドクンドクンと破裂しそうなほど心臓がうるさい。



どうしよう……どうしたら良いの……



そうだと言ってしまえばいいの……?

それとも違うと誤魔化す……?




「なぁ、答えて」



それはどこか甘く、そして切なく……
梓が目を細めて私に聞いた。