「梓、起きて」
何度か身体を譲った後、少しして梓の瞳がゆっくりと細く開いていく。
「……何」
寝起きだからか、少しだけ掠れた声がやけに魅力的で…ドクンと一度心臓が鳴ると梓の視線に自分が写っているのが分かった。
「インターフォンすごい鳴ってるよ」
「……」
「ほっといて良いの?私出ようか」
起き上がろうと、ベッドへと手をつき梓から離れようとしたところで
「いい、ほっとけ」
彼は不機嫌そうな顔をした後、再び私を布団の中へと引きずり込んでいく。
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