そんな私をみた梓は、一瞬キョトンとしてからすぐに少し驚いた顔で目を見開いたけれど…それも次の瞬間には収まり、切れ長な瞳を少しだけ細める。
右目横、その少し下にある小さな泣きボクロ。
私の指はそっとそれをなぞるようにしてゆっくりと進んでいく。
何故かいつもコレが目にとまる。
普段は切れ長な瞳を、時々細めて笑うその視線に…つい夢中になってしまう。
そっと触れていた私の手は、いつのまにか梓の片手に掴まれていて
「何だそれ」
と、どこか可笑し気に笑った梓が目に止まる。
意地悪く上げられた口角がやけに甘味を帯びていて…
見下ろしてくる梓の瞳の…あまりの綺麗さに、少しずつ近付いてきている視線に気が付いた時には
温かく…優しく…
私の唇は…
梓によって包み込まれていた。