壁にかけられた時計を見れば、いつのまにか結構な時間になっていて
寝室に入って行った梓は、やっぱりあの日同様バスタオルとスウェットを持ってくるとそれを私に手渡した。
「風呂入ってこい」
さも当たり前みたいに…何の動揺もなくそう言ってくる梓。
「あの…私本当に泊まるの…?」
やっぱりいくらなんでも、付き合っていない男女が二人きりで泊まるのはマズイんじゃないだろうか。
梓が私に襲いかかるなんてそんな事思ったないけど…世間的にはアウトなんじゃないだろうか。
「嫌なのかよ」
「イヤ…じゃないよ…」
そりゃあ好きな人と一緒にいたいに決まってる。
「ならいいだろ」
良いのかな…よく分からなくなってきた。
一緒にいたいはずなのに…やっぱり心の奥底ではあの朱音という人が気になってしまって…この状況にどこか素直に喜べない自分がいる。
「最近、良く眠れねェ」
「…………」
「だから、お前と一緒に寝る」