「うわぁっ」
梓によって引っ張られた身体は大きく斜めに傾くけれど、それも車の外へと出た時には梓によって上手く支えられていて
「手間かけさせんな」
何故か面倒くさそうにそう言った梓に、訳も分からない私だけれど…「ごめんなさい」とそう謝るしかなかった。
しかも車の外に出た私と梓を確認した伊吹さんは、イカツイながらにも優しげな笑みを見せると「では、お疲れ様でした」と言ってあろうことかあっという間に車を走らせ何処かへ行ってしまった。
……ちょっとまって…伊吹さん!今の私を梓と二人きりにさせないで下さい!!
だけどもちろんもう見えなくなってしまった伊吹さんにそんな願いが届くはずもなく…
「行くぞ」
分からない…やっぱりどう考えても分からない…というか意味が分からない。