「やだっ触らないでっ」





恭哉君の伸びてきた手を、振り払う。





もういいっ…!


恭哉君なんて、知らないもんっ…!





すると…





「…まじで、これ以上俺に心配かけさせんなよ」





「…え?」





強引に恭哉君の方へと振り向かされ、大きな手が私の顔を包む。





「俺は怒ってるんじゃない。お前が…恵那が心配でああ言ったんだよ」





私が、心配で…?





いつになく真剣な面持ちで、真っ直ぐ私のことを見つめる恭哉君。


そんな恭哉君から視線を逸らせず、吸い込まれるように見つめ返していた。