「ごめん、別れよう。」
それは、突然だった。
誰もいない教室で
とても静かな空間で
君から放たれた言葉はその一言だった。
私が何も返せないで立ち尽くしていると、
彼は、
「そういう事だから。」
と一言言って教室を出ていった。
それからどれくらい時間が過ぎただろう。
1時間や2時間にも感じられたし、もしかすると10分20分だったかもしれない。
だが、不意に外を見てみると、もう夕陽がさしかかっていた。
ここに居るのもあれだからと、私は帰る準備をして教室を出た。
外は、真っ赤なオレンジに染められ、私の心の灰色には似合わなかった。
多分、私の顔はおかしかったのだろう。
すれ違う人々からとても驚いた目を向けられた気がした。
それでも私は、家へ向けて一直線に歩いた。
彼と毎日のように立ち寄っていたアイスクリーム屋さんや、たくさんおしゃべりをした公園だって素通りした。
前の私だったら、こんな事すぐに立ち直れていた。
何回振られたってめげずに次へと頑張った。
でも、今回は私らしくない。
いつもの私じゃない。
それは、彼が相手だったから?