お兄ちゃんの口が‘親父’と動いた。



お兄ちゃんは私にちょっと待ってろと手で合図してソファーから立ち上がった。



お父さんとお兄ちゃんは口論を始めたらしい。



聞こえなくてよかった…。



私は心のどこかでそう思った。



2人に背を向けた直後、ドンッと床が振動した。



驚いて後ろを振り替えると、お兄ちゃんが尻餅をついていた。