作り物みたいにキレイな生首。


動く死体に群がられて爆散する少女。


全身の関節がぐちゃぐちゃになった亡骸。


血の涙を流しながらおれに食い付いた、ひどく美しいリビングデッド。


死を待ちながら見上げた、雨を降らせる赤黒い空。



あれは学校のそばだった。


地下へ潜って、蟻の巣みたいな場所をたどって、駐車場に行き着いた。


知っているものがいくつもあった。


転がされたままの謎もたくさんあった。



窓の外を見る。


隣町の景色が、なつかしさとよそよそしさの絶妙なブレンドで流れていく。



ぽわぽわの白い雲を散らした、四月の青い空。


碁盤の目みたいに整然と展開された街並み。


大人のデートスポットで有名なファッションビル。


大企業の社長が最上階に住んでるって噂の高級マンション。


KHAN、というロゴが入った巨大なオフィスビル。