遠い遠い昔。

その土地で知らない人は居ないほどの富豪・シャリア家の一人娘、キャリー。

彼女は、幼い頃から同級生のジョエルに想いを寄せていた。

だが、箱入り娘として育てられたキャリーには恋愛など許されない。

密かに、密かに…
ジョエルとまともに話すことすらなく、離れた場所から、ずっと密かに。
誰にも打ち明けず、1人で切ない想いを募らせていた。

このまま大人になるのだわ。
このまま想いが消える日を待ち続けるだけだわ。

「キャリー、ちょっと良いかな」

その日、キャリーは初めてジョエルの瞳が青いことを知った。