【side 茜】 「いろはにほへと、ちりぬるを。 はい。直樹、抜けていいよ」 徳原くんが抜けて、四つくっついていた靴は三つに減った。 ピンク色と青色と水色……、とてもカラフルな靴たち。 爪先の部分に再び手を置いた優乃ちゃんは、言葉と同時にその手を動かしていった。 「……はにほへと、ちりぬるを。 はい。茜、抜けて」 私の靴でその手が止まり、優乃ちゃんは私に抜けるよう指示した。 今……、なにをやっているか、それは一時間前に遡る──。 ──── ──