『お前には関係ない』

その言葉は、あの人が、琉にあたしがあの女とのことを聞いた時に帰ってきたこと

ばだ。あの日の覚めた目と、冷たい声は今でも覚えている。

あれが、全ての始まりだったのだから。

「……なにそれ。じゃ、なんであたしはあんた達と一緒にいるの?」

ひとりでにつぶやき、あたしは屋上を飛び出した。

麗薇っ!って、静止の声も聞こえたけど、ここでは震えが止まらなくなる。

どんどんあたしの顔が青冷めていくのがわかる。

手先も、どんどん冷たくなっていく。

もつれそうになる足をなんとか引きずって、追いかけてくるであろう大河達から必

死で逃げた。そして、慌ててあたしは学校を出た。

学校の傍でも危ういきがして、すこし離れたところまで走る。

繁華街の近くを走っていると、あたしのスマホがバイブする。

……きっと、大河だろう。あたしはそれを、既読スルーした。

ドンッ!

前を見ていなかった拍子に、誰かとぶつかってしまった。

「……すいま──、」

あたしの前にいまのは、衝撃の人だった。


「久しぶり、麗薇ちゃん。」

歯車が、どんどん外れていく。噛み合わなく、なっていく。

どんどん、狂ってしまう。

……どう、して。