「いやだっ!出たくない!」

無理やり引っ張ってだそうとする彼に、あたしは必死に抵抗する。

「離してってば!」

あたしがどんなに暴れても、彼は話す気配すらない。

「うるせぇ。」

どんどん引きずられていく。やばい、もうすぐだ。

「麗薇、大丈夫だから。早く来いよ。」

外からあたしをよぶこえが聞こえる。それと同時に、あたしの名前が出たことに対

して周りの女子が騒ぐ。

……うるさいなぁ。どこからこんな甲高い声出しているんだろう。

遂に、車から引きずり出されてしまったあたし。

それから、漣がナチュラルにあたしの頭を撫でたことでさらに声は大きくなる。

ちょっと……漣。

「なにしてんの。」

優しいくて、でもわざとらしい顔で笑う漣。

「頭撫でただけだ、」

………あたし、随分の量の女子を敵に回してしまったみたい。

まあ、そんなの慣れているんだけど。

あたしは漣を恨みながら、大河達に着いていく。

右隣には、漣。左隣には、千紘。なんとなく、硬い雰囲気だ。

「……麗薇?!」

声がした方をみると、華夏と菜月。