暗い夢の中、暗くて長い穴に落ちているきがする。

あたしは白いワンピースを着て、真っ暗なそこを見渡す。

見渡しても何かあるはずもなくて、あたしはがっかりする。

”愛して”

猛烈にそうおもう。じゃあ、あたしはどんなものを望んでいるの?

苦しいことがなくて、楽なこと?

悲しいことがなくて、楽しいこと?

全然思いつかない。

でも、あたしは彼らとずっとずっと一緒にいたいと思っている。

でも、あんなことになったら?

イラナイって捨てられたら?

あたしはまた立つことができるの?

嫌な考えがあたしの頭を犯していく。

孤独になりたくない。

ねぇ、一緒にいてよ──────。







「おい、麗薇。」

漣の声がする。もう、髪切り終わったのかな?

少し眠たいけど、あたしは頑張って瞼を上げる。

どんどんクリアになっていく視界から、あたしの変わった姿が見える。

腰まであったストレートの漆黒の髪は、胸当たりで切られていてクルクルと円を描

いている。

そして、少し明るめの栗色。

これが、あたしの新しい姿だ。