「ん、…」

意識が覚醒して、眠っていたあたしは目を醒ました。

薬品の香る、白い部屋。

あたしがいるベッドの周りはカーテンだったから、ここは保健室だってわか

った。

シャッ

いきなり、カーテンが開く。

そこに居たのは、知らない人。

顔はカワイイ系で、整っている。

あれ、あたしはなんでここにいるんだろ。

あたしが記憶を手繰り寄せるように髪に触れる。

「やっと、起きた。自分がなんで寝てたか覚えてないの?」

カワイイ系の子は、初対面に関わらずつんつんした口調であたしにしゃべり

かける。

「な、んで、」

「あんた、俺らみた瞬間、フラバしたんだよ。」

フラッシュバッグ?

確かに、昔の夢をみたきがしていた。

まさか、ほんとにフラバしてただなんて…。

「ご、めん」

あたしは俯いた

「運んでくれたんだよね?ありがと。」

「ま、運んだのは俺じゃないけど。」

そういうと、カーテンの隅からあたしを覗く顔が見えた。

「麗薇、大丈夫か?」

大河が心配そうに、あたしに駆け寄ってくる、

だから、あたしは大丈夫、そう言って笑った。

あたしは彼らに大嫌いなあいつらを重ねてしまったのだろうか。

なんでよ、あたしは強くなるためにここに来たのに。

悔しくて、悔しくて。

溢れる涙を、抑えることなんて、出来なかった。

「ごめんっ、」

また、あたしは謝って。

カーテンを、静かに閉めた。

あいつらのことで泣いているなんて、悔しかった。

まだ、あたしは弱いんだと痛感させられたから……。

「おい。」

カーテンのそう外から声がした。

「なんで、お前泣いてんだ?

なんで、おれらみてフラバした?」

彼らとダブって見えたから。なんて、言いたくない。

屋上に行く前から、あたしは過呼吸になっていた。

”龍我”

それに反応して過呼吸になるなんて、やっぱりあたしは乗り越えられてない

んだな。

「言えない。ごめんなさい。」

そうか。と威圧感のある声を放ったキング。

彼らはあたしに興味を無くしたかのように、保健室を去っていった。

あたしはまだだるくて、もう一度眠りに着いた。




『俺はお前を一生愛するから。

お前にも、俺を一生愛してほしい、麗薇。』

キミか褒めてくれたこの真っ黒な髪。

そして、キミがあたしにくれた言葉たち。

それがあたしの中で生き生きしている。

『流に愛されている』

それだけで、あたしは幸せだった。

愛してほしい。

そう願って、はじめて愛してくれる人に会えたと思っていた。

あたしの愛を、壊したのはあの女だった。