中2なのに、初恋もまだで彼氏もいない。

何もかも、縛れられて生きている。

そんなころのあたしが出会ったのは、自由に生きる琉達だった。

何にも縛られない。自由で翼が生えたみたい。

行きたい所にいけて、自分の好きなことができる。

それだけの自由が欲しかった。

『お前、なんだよ。そのしかめっ面。可愛い顔が台無しだよ。』

親に反抗したあたしは、家出をしてちかくの公園にいた。

どんなに遅くなっていても、きっとあたしの父親は心配していなかっただろう。

『ここはもうすぐ、ほんとの意味での”夜”になる。その前に帰りな。

傷つくのは、あんた自身だぜ。』

ホントの意味での、夜?

とあたしは分からなかった。

でも、それは直ぐに教わることとなる。

『てめぇが我龍の葉瀬か。』

鉄バット?みたいなのをもった金髪でピアスを開けまくった男がしらない名字を呼

ぶ。

となりにいたあたしに声をかけた人が笑っていたから、この人は葉瀬と言うんだな

と思った。

『呑気に笑ってんなよッ!!』

男が大きく振りかぶった瞬間。

『おーい。うちの総長傷つけないでくれるー?』

抑揚がなくて、低い声が辺りに響いた。

暗くてよく見えなかったけど、そこにはハッキリと3人いて。

彼らはあたし達に近づいてくると、

『あれ、女の子?』

と首を傾げた。あたしが、いや、女の子がいるのが不思議だと言う感じで。

しらない間にあの男をやっつけてしまった彼ら。

『なんで女の子がこんな時間にこんな所にいるの?』

さっき抑揚のない言葉を喋っていたとは思えないほど打って変わって優しく喋り掛

けてくる彼。

…家出、なんて言いたくなくてあたしら俯いた。

『だから、言ったろう。傷つくのはお前自身だって。』

はあ、とため息をつかれる。

仕方ないじゃない、

帰りたくなんてないんだから。