その温もりを、分けて欲しかった。

こころの温かみが、欲しかった。。

そばで笑っていて欲しかった。

俺の初恋の女の子は、俺の前から姿を消した。

そして、引っ越すことになった俺はそれから麗薇にあうことは1度もなかった。


「……なあ、お前ら四天王と麗薇の関係って」

「……幼馴染だ」

まだ、言ってなかったか。

俺たち東西南北の総長は総じて四天王と呼ばれている。

「でも、麗薇と初めてあった時麗薇なにも反応してなかったよね?……漣にさ。」

千鶴が千紘と向き合いながら考える。

「ちょっとした事件が起こったんだ。それが麗薇にとって衝撃すぎて、あいつは俺たちのことはすべて忘れたんだ。」

「……事件って?」

「麗薇の両親が俺らの両親と仲が良くてな。週末になるとよく雫雲の家に集まっていた。その、ある週末に事件は起こった、」

俺達はいつものように、薔薇が咲いている庭園のその中の温室にいた。

突然その扉があいて、狂気じみた目をする人がひたすらに麗薇の名前を呼んだ。

淳は親達を呼びに行き、震える麗薇を抱えて温室の秘密の場所に隠れた。

やがてその人が温室が出ていくと、運悪く未薇さんとその人が対面した。

それをみた麗薇は飛び出して言った。

麗薇になにかを言って、ナイフを振り上げ、麗薇を殺そうとした。

だけど、ナイフが刺さったのは、未薇さんのほうだった。