「─…麗薇、。俺は麗薇が好きだよ。大好き。愛してるんだ。」

甘い言葉と、苦しい過去の記憶。暗闇では、あたしが顔を歪めるところなんて見えないだろう。

「…あ、たしも愛してる…!」

過去のフラバがようやく消えて、あたしたちは引き寄せられるみたいに近寄る。

それから、キスを。

「…漣、漣っ!」

ただ、甘いキスに酔いしれる。クラクラして、立っていられない。

漣の手が腰に回って、あたしを抱きしめる。そのままもつれるままに、倒れ込んだ

「……麗薇、俺の傍にいてくれて、ありがと」

漣があたしの首に顔をうずくめて、強く吸う。

そして、深紅の薔薇が浮かび上がる。

「愛してる」

欲にまみれた瞳をギラつかせて、甘く、甘く言葉を紡ぐ。

『麗薇、愛してる』

キスの果て、誰かのこの言葉をきいて、あたしは意識を失ってしまった。



涙が雫となってこぼれ、いつしか溢れる。

あの記憶は、なに?いつのもの?

あたしが考えるまもなく、時間は過ぎていく。

1度目覚めたときには、あたしは布団に寝かされていた。