唯莉がいなくなって……あたしは1人になった。それから姫の立場だった我龍にますます依存して……。

彼氏の琉にも頼って……。なんとか立ち直ろうとした。そんなあたしを周りは一生懸命支えてくれた。

「じゃ、あたしと漣が出会ったのは決められてたってこと?」

あたしが漣に依存してしまうのは決められたことなんだろうか

「たまたま、お前が東の家に行くっていったからな」

確かに、東に行くっていったのはあたし。お父さんは何も言っていない。

「まあ、東にいたってほかのやつらが奪いにもこれる。だけど、東西南北にはラインがあるからいけねーんだよな」

それで、漣になったのか

「ラインがあるのに、どうしてイマミヤや琉はあの時きたの?」

「それは俺も最近しったことなんだけど、それまで保たれていた均衡が崩れたんだよ……いや、崩されたって言った方がいいかな?」

「……だ、れに?」

「──璃麻だよ」

璃麻って、あの璃麻だよね?漣の幼馴染で如月先輩のことが好きだった……。

璃麻も、漣の幼馴染なの?あたしとなんか被っていない?

「璃麻も、漣の幼なじみなんだよね?」

「ああ、それなら俺はお前が記憶失ったぐらいに引っ越したんだよ。それからの付き合いだな」

「どうして、璃麻が?」

「さあ。わかっているのは、琉と繋がっていた事実だけ。今はもう関係を解消してるみたいだ。」

琉と璃麻が繋がっていた……そこまでして琉がほんとうに求めていたものとはなんなのだろう。

『──……麗薇。ほんとうに人を愛するには、”優しさ”と”強さ”がいるんだよ』

あの日、あたしに言った言葉。

もっと、詳しく聞いていたい。だけど、漣のこんな苦しそうな顔、もうさせること、できないから……

……あと、あたしが聞きたいのは『昔』の話だけなのだ。