「あたしは、自分を否定されるのがだめなの。」

苦しそうに笑う麗薇。

それは、我龍にいるときに否定されたから辞めたと言うことだろうか。

「家庭で色々あってね……。今の母親にちょっと」

今の母親ということは再婚したということだろう。

「あたし、母親似だし……」

「亜衣梨ってゆー子に邪魔されたっていったじゃない?その子はあたしの異母妹でさ……。」

俺は正直、びっくりした。そして、とてつもない違和感を覚えた。

我龍の姫、星姫(キキ)は総長に寵愛を受けいたはず。

星姫、というのは我龍の姫の名称で、桜龍にもそういうのはある。

”桜姫(オウキ)”。

星姫は総長から信頼を莫大な愛を受けているはずだった。

それがひとり、女が間に入ることで割れることなんてそうそうにありえない。

……たとえ、異母妹だとしても。

「だから、人一倍、人に認めてほい。あたしは貶されたことしかなくて……まともに”あたし”を認めて貰ったことはないの」

「愛を欲することは、認めて欲しいってことなんだろうね……。好きな人に認めて欲しいからあたしは愛を欲するだよね……」

やっぱり彼女の笑顔は苦しげ。

いつしか、俺も胸が苦しくなって……頭を俺の胸に押し付けた。

「無理して、笑わなくていいから」

俺は一応、上にTシャツを着ている。元々、海はあんまり好きではない。

「…ありがとう、遙真」

泣いているのか、声は少し震えているきがした。

「強がらなくていいよ。苦しいなら、苦しいって言わなきゃ。」

そうじゃないと、誰も気づいてはくれないよ。

……これは、千鶴が俺にいった言葉だ。