「Are you going to Scarborough Fair?

Parsley,sage,Rosemary and thyme.

Remember me to one who lives there.

For she was once a true of mine……」

口ずさんだ歌は、風波に消えていく……。

いつか、この気持ちは風に乗せて消すことが出来るのだろうか。

いつか、もっと強くなって周りを守れる人になりたい。

彼らがあたしの心を掬ってくれたように、あたしも誰かの心を掬う網でありたい。

水槽に閉じ込められた金魚を救い出すように……。

このまま、すべてが終わるなんて思ってない。ただ、その時が来たらすべての覚悟は出来てる。

みんなを傷つけたくない。

その思いがあたしの主根となって、動いてくれるはずだから。、

「千紘……」

”さあ、手を伸ばそう”

「暖かいね!」

そうやって、笑って今を生きていこう。

きっとあたしに残された時間は多くないのだから____。

「んだよ、急に抱きついてきて。気持ち悪い。」

……あたし、ただバイクに乗せてもらったから千紘のこと抱きしめただけなんだけど

「そうなこといって、嬉しいくせに~」

あたしは千紘の頬をつついた。

そしたら彼は照れたように、顔を背けてあたしの手を払った