「なあ、なんで急に蘭龍が襲ってきたんだ?」

そう口にしたのは遙真だった。

きっと真実は、あたしと漣しか知らない。

蘭龍と琉がいや、イマミヤと琉が繋がっていると知っているのはあたしと幹部と漣だけになる。

「……それは……」

理由は”薔薇姫を連れ戻す”。ただ、元姫だと知られても”薔薇姫”とは知られてはいけない。

「……あたしはみんなに黙ってたことがあるの。今から話すよ。」

目的を聞かれたのは下っ端と大河だけ。

下っ端だと薔薇姫を知っている人は絶対いない。

「……幹部室に移動してくれる?」

あたしが俯いて、そう言うと素直にあたしに従って動き出す。

漣が絶対の席へ、その他のみんながソファに座った頃、あたしは口を開いた。

「あたしは……我龍の元姫、なの。」

顔なんて上げられない。

「…は、」

遙真の戸惑いの声が漏れた。漣と少しの人は驚いてないようだ。あたしのこと、知ってたのかな。

「じゃ、なんで転校してきたんだ?我龍は姫を寵愛してたって聞くぜ。そんなあいつらが転校なんかで離すなんて思えねぇ。」

大河には少ししか言ってなかったから余計に気がかりだったのか、心底真剣に話す

「……棄てられたの。」

そう、あたしは棄てられた。

あたしが陸と浮気しているとか言って……。

初めはそれぐらいのことだった。だけど、琉たちが反応がないとわかるともっと過激になっていった。

あの子は……亜衣梨は何がしたかったのだろうか。

なんであそこまでして、あたしと琉たちを遠ざけようとしだろうか。

彼らは本当に、亜衣梨の言い分を信じていたのか……。

そうは思えなかった。

亜衣梨がなにかいうと、まあまあと宥めて笑う。そうやっていつもスルーしていた

最も、琉はあたしの妹だとかいって倉庫に入り浸りされるのか嫌だったぽいし。

あたしが亜衣梨のことは好きじゃないと分かっていたからか、少なからず愚痴に近いものを発していたし。

あの時の彼らが、どんな理由があれ、亜衣梨を選ぶとは思えなかった。

だけど……何かに縛られたように亜衣梨を……『愛してる』といった。

嘘でも、絶対に嫌だった。琉が愛を呟くのは、あたしだけであってほしいと醜い独占欲の塊が顔をだして、自分だけでは抑えられなくて。

……なんで、なんで……。

どうして、あたしより亜衣梨を選んだの……?あたしをあいしてるって、みんながいったんだよ?

あたしは愛して欲しいと言ったの……。それから、あたしはみんなを愛すると……。

なのに、なんで?どんな理由で、あたし達は割かれなきゃいけなかったの?

あたしを孤独にしたかった?それとも、あたしに嫉妬してた?

亜衣梨があたしに嫉妬するところは何もない。あの子のほうが幸せだったはずだから。

愛されて、全部を持ってて……それ以上、なにが欲しいというの?

琉は……我龍はあたしのすべてだった。苦しいこと、悲しいこと。なんでも共有出きたのは、我龍だけなの。

あたしがあたしでいられたのは、我龍だけなの。

あたしは琉が好きだった。愛してた。世界で初めて愛した人だったのに……、