あたしは確かに鍵を掛けたはずだ。

簡単に開けられるなんておかしい。誰かが彼らと繋がっていることしかかんがえられない。

『麗薇さんは、何歳でしたっけ?』

『琉が麗薇ちゃんを探している』

……合致した。

これは初めから仕組まれていたことなんだろう。

琉はきっとずっとあたしを手放すつもりなんて微塵もなかったのだろう。

おそらく、凪紗くんと琉は繋がっている。

流れるはずのない情報を提供していたのも、ここの鍵を開けたのも。

全部、凪紗くんがいたから、なんだ。

憂さんがあたしに与えてくれた情報は虚偽ではなかったのだ。

この間にも、琉があたしを探す手をやめない。

あたしがこの部屋にいるというのはわかっているような感じだ。

彼はあたしが入っていない方のクローゼットをあけ、中を確認した。

そして……。こっちに近ずいてくる……。



あの恐怖が。

あの絶望が。

蘇る。

怖くてたまらないの。

伸ばす手も、微笑む顔も、低くて甘い声も。

「みつけた」

彼は迷いなく、あたしのいるクローゼットを開けた。

黒いカーテンで覆ってるからか、部屋は暗い。

だから、彼の表情のすべてを読むことはできない。

「……麗薇」

「いややぁァァ!」