ガッシャンっ!!

突然、大きなシャッターが崩れる音が響いた。

「麗薇、お前はここで待ってろ。」

いや、といいたい。

いやな予感がよぎって落ち着かない。

これから嫌なことが起こっていく。それは、あたしも感じられた。

「麗薇、あいつらに電話しろ。」

麗薇、麗薇と呼ばれ、命令を叩き込まれる。

あたしは慌てて漣たちに電話を掛けた。

すると、あたしの様子を見かねた大河が幹部室から出ていった。

「クッソっ!漣斗もあいつらもいないときに!」

このシャッター音は、何が、どうなって起きるものなのかあたしは知っている。

そして、それを起こす人物の予想は出来ている。

「……”蘭龍”っ!」

誰かの、苦痛と叫びが聞こえた。

あたしはその名前に、体を縮こませた。それから、総長室にいってかぎを掛け、2つあるクローゼットに身を隠した。……タオルケットをもって。

しばらくスマホを握りしめていると、コツコツと割といい靴の音が響く。

あたしは必死に息を殺した。




それから……鍵を閉めたはずなのに、いとも簡単にその鍵は開いた。

「早く、出てきなよ。愛しの麗薇。」