次の朝。

いつもより早く目覚めたあたし。

晩御飯を食べていないせいか、お腹がすいている。

時計を見ると、まだ5時。

2度寝しようとしても、目が冴えてしまって出来ない。

仕方ない。着替えよ。

あたしは制服に着替えて、ご飯を食べた。

まだ、時間沢山あるじゃん。

………暇だ。

鏡の前に立って、あたしを見つめる。

そうだ、ヘアメイクしよう。

あたしは裏編みこみを施していく。

最終的に、あたしは編み込みハーフアップをした。

いつもよりも、上手く出来た気がする。

そして、一瞬で髪を巻いてくれる機械をつかって、髪をまいた。

こんなにも、おしゃれをするのはいつぶりだろう。

そしてナチュラルメイクをした。

唇には、深紅の唇を塗った。

そして、部屋でミルクティーを飲んでいると、丁度いい時間になった。

「お嬢様。お待ちください。」

炎天下と中、歩きだそうとしているあたしを運転手が止める。

焼けるのは嫌だったから、車に乗り込んだ。

「学校のちかくのコンビニに下ろして。」

「かしこまりました。」

さすがに、こんな高級車で車通学してたら怪しまれるでしょ。

コンビニにつくと、あたしはミルクティーを買って、飲んだ。

こっちのほうか、温かみがある気がした。

「お母さーん、今日はミナ、賢くしてるから早く帰ってきてね!」

歩道を歩いていると、幸せそうな子が目に入る。

幼稚園児ぐらいの小ささで、お母さんの手をしっかり握っている。

…………その手を、離しちゃだめ。

瞬間的に、そう思った。

「じゃ、行ってくるね。」

あたしから遠く離れて、そんな声が聞こえた。

振り返ると、2人が手を離していた。

「じゃあね、」

あたしはまた、歩き出した、

その瞬間、

キキっーっ!!

突如、ブレーキ音が鳴り響く。

「いやっ!お母さん!」

血まみれになっている母親と、そこに駆け寄る娘。

驚いて集まってくる近所の人。

『危ない、唯莉っ!』

てを、伸ばす。

『麗薇は、まだ大丈夫………純白だよ、私は穢れているからっ、

ここでおいとまさせてもらうね、』

血まみれの彼女は、最期あたしに向かって笑った。

『イヤっーーーーー!!!唯莉っ!』

あの雨の日。

もう、彼女が目を開けることはなかった。

あたしは路地にはいって、自分を落ち着かせる。

いつまでもあたしを傷つけるように、脳内にこびりついたその記憶。

大好きな親友、

世界で初めて、あたしが生きてもいいと証明してくれた人、

「…ゆ、いり。」

溢れる涙は止まらない。