もうちょっと、抱きしめていてほしい。

もうちょっと、抱きしめていたい。

「……ん、」

わかったのか、返事はん、とだけ。

なんだか緩いな、なんて思いながら漣の胸板に頭を擦り寄せた。

それからまた、夢の世界へ。

漣の胸は暖かくて、居心地がよくて安心して。

……ずっと、このままでいたいと思うほどに。

彼の胸のなかで眠ったいま、今みた夢はさっきとは全然違う、優しいものだった。