「俺が愛してやるから。俺にはお前が必要だ。」

痛いぐらい、抱きしめられたきがした。

それは、暖かくて心がポカポカするような。

……誰が言ったのだろう。

だけど、琉ではないことは分かる。

痛いぐらいのそれに、あたしも痛いぐらいに抱きしめ返した。

……愛してくれるんでしょ?

ずっと、あたしを愛していて___。







「重……」

横向きに寝ていたあたしの体の上には漣の腕。

もう片方の腕は、腰に回っている。

これって、また抱きしめられているってことなのかな?

それから、枕が濡れていてあたしが泣いていたことが分かる。

……あたし、泣いてたんだ。

夢か、現実の境目であたしに『愛してやる。必要だ』そう言ってくれたのは漣だったのかもしれない。

こんな、あたしの重すぎる愛を受けてくれる人がいると思えるのは嬉しかった。

あたしの腕も、きっちり漣を抱きしめている。

……夏なのに、よく抱きしめあって眠れたな。

きっと、暑いから無理なはずなのに。

漣だって、普通あってすぐの人にこんなことしない。

漣は、あたしが好きなの?

よく、分からない。

だけど、いい。

壊れてしまいそうなあたしのそばにいてくれるなら。

あたしを、愛してくれるなら。

あたしを、必要としてくれるなら。

あたしは漣をきつく抱きしめた。

「寝込み、襲う気か?てか、誘ってんのか?」

漣はあたしが変な夢をみていたことを知っているのか。

彼は低血圧らしく、まだ眠そうだ。

「そんなきはないけど……漣、もうちょっと。」