あれから数日。特になんの変わりもなく、漣たちのもとで過していた。

璃麻はあれから見なくなった。きっと居ずらくなったのだろう。

漣が呼び出されることもなくなった。

……今は終業式の途中。校長の話を長々と聞いている。

何分後かして、ようやく立ちっぱなしから解放されたあたしたちは授業なんて無視

して屋上に向かった。

「もう夏休みかぁー、早いなぁー」

日陰に座り、後ろで腕を組んでいる。その姿は、暇そうに見える。

「麗薇。」

不意に、名前を呼ばれる。あたしを呼んだのは、漣だった。

「夏休み、どこ行きたいか考えとけよ。」

どうやら、どこかへ連れて行ってくれるみたいだ。

……行きたい場所、か。あまり浮かばない。

「お祭りと、旅行かな…?…」

夏と言えば、お祭りだよね。……浴衣を着て、お祭りに行きたい。

「いいねー、今年も行こー!」

千鶴はのり気味で、遙真に絡みに行っている。普段なら鬱陶しくはらいそうだけど

今の遙真はなんだか嬉しそうだ。……学校がないのが嬉しいのか。

”今年も”って、どういうことなんだろうか。恒例のなにかがあるのか。

あたしはそこに突っ込まない。だって、彼らが重ねてきたものがあると思うし、突

然仲間に入れてもらったあたしが行っていいものでもないと思うから。

彼らは、どうしてあたしを傍き置いてくれているんだろう。

あたしに有利な条件を出して、倉庫に置いて、一緒に行動する。

……”守るため”なんて言葉に合わないほど、あたしは良くしてもらっているのだ。