眠っていたところに、電源を入れたスマホがうるさいぐらいに鳴る。

あたしはそれが誰だかも見らずに、ただ音を鎮めるためだけに電話に出ていた。

「……おい、麗薇。おまえどこにいんだよ。」

……どこにいんだよ?この声って、漣?………漣?!

あたしはガバッと飛び起きた。眠っていた頭も、ハッキリ目が覚めた。

「家。」

すると、彼は大きくさらに長いため息をこぼした。

「璃麻、どうなったの。」

電話を掛けてくるってことは、あたしを憎んでる、とかではなさそうだけど。、

「…ああ。あれは、おまえがアニキのこと振っただけなんだろ。」

あっさりとした答えに驚く。……兄が自殺にた要因になるものって大抵恨むでしょ。

「うん。彼氏いたし。」

もしも、あたしが琉と付き合っていなかったら結果はどうなっていたんだろう。

……そんなこと考えても意味ないか。

「……そうか。」

低くもないし、冷たくもないその声に安心する。

また、あたしは手放さずに済んだ、と。

「如月先輩は、生きてるの……?」

漣にも、こんなことを聞いてしまうのは行けないのかもしれない。

だけど、聞きたい。ほんとにいなくなってしまっていたら、ほんとうにあたしのせ

いだ。どうしたらいいのかなんてわからないけどあたしのせいだ。

「……生きてるよ、」

安心させるようなそれに、あたしは脱力する。……よかった、生きていて。

「だけど……植物状態なんだ。」

植物状態って、あれだよね?息はしてるけど、目を覚まさないって、いう。