「……手伝おうか?」


「あ、うん、大丈夫。

……他に何かやってよ。」


「分かった、ごめんね。」


何度も繰り返した同じこと。


なんで私がここまで嫌われるんだろう。


行き場のない悲しさに暮れていると、声をかけられた。


「富木島さーん、ちょっと手伝って!」


高一の先輩だ。


「はい!」


走っていくと、頼まれた。


「この線を作るから、メジャーを押さえておいて。

ここから動かなくていいよ。」


やっと回ってきた仕事。


「はい」


先輩が奥の方へ行ってメジャーを置く。


「そっちは大丈夫?」


「大丈夫です」


「何メートル?」


「24メートルです」


「いいよー、じゃあ押さえておいて!

今から中二がライン引くから。」


「はい」


ラインが引き終わって、先輩に話しかけられた。


「ありがとうね、手伝ってくれて。」


「……いえ、そんな」


「固いよ、あはは!」