痛がる香織ちゃんを車に連れて先生は急いで近くの病院へ向かった。


その時、コーチはようやくやってきて、呑気に近所の住人からブドウのおすそ分けを食べていた。


キャプテンがコーチに状況を伝えると、そこでコーチは事態を飲み込み、心配を始めた。


私たちは不安な気持ちで練習を続け、終わってから部屋に戻ると、骨折だったから帰るとかなんとか他にもいろいろ書き置きが残されていた。


なんだか大変な合宿だった。


後にも先にもこんなに衝突する学年はないと思う。


これを由奈ちゃんは「うちら青春してるみたい!」とか言ってはしゃいでいたけれど、こんなに衝突するのが青春なら、私は青春なんてできなくていいと思っていた。


帰りのバスの中で、私はずっと音楽を聴いていた。


めちゃくちゃだ。


散々だ。


窓枠を思い切り掴む。


壊れてしまえばいいのに。


私は、いつだって無関係なのに振り回される。


怒鳴りたいのを必死で抑えていた。